栄養のコト、メモるわ

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「健康長寿の秘訣」:日本の食生活が語る物語 (2023/11/27)

朝食@西洞院食堂

私たちの食事、私たちの健康

みなさん、毎日の食事にどれほどの意味を見出していますか?私たち管理栄養士は、食事が健康に及ぼす影響を日々実感しています。日本の伝統的な食生活は、世界でも注目される健康長寿の源とされています。今回ご紹介する研究は、この食生活が具体的にどのように私たちの寿命に影響を与えるのかを探求しています。

食事の質とその影響

日本の食事ガイドラインを守ることは、私たちの健康にどのような良い影響をもたらすのでしょうか?この興味深い研究は、食事が心血管疾患や脳血管疾患、さらには全体的な死亡リスクに与える影響を明らかにしました。この物語は、私たちの日常的な選択が、実はとても重要であることを教えてくれます。

 

研究の概要:

「Quality of diet and mortality among Japanese men and women: Japan Public Health Center based prospective study」(BMJ, 2016)​​

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27005903/

 

約80,000人の日本人が、自分たちの日々の食事について記録を取り始めました。この大規模な調査は、日本の食生活ガイド「スピニングトップ」が長寿にどのように貢献するかを明らかにすることを目的としています。研究者たちは、これらのデータを分析し、健康的な食生活が私たちの寿命にどのような効果をもたらすかを探求しました。この研究は、日常の食事選択が健康に与える影響を理解するための重要な一歩です。

 

研究の目的

みなさんは、日本の食生活ガイドラインをどれだけ守っていますか?この研究は、その準拠度が総死亡率や特定の疾患による死亡率にどのような影響を与えるかを調査しました。

 

方法論

この物語の主役は、36,624人の男性と42,970人の女性、45歳から75歳の日本人で、彼らはがん、脳卒中、虚血性心疾患、慢性肝疾患の既往歴がありませんでした。研究チームは、彼らの食生活を詳細に追い、日本の食生活ガイドラインへの準拠度を評価しました。これは、日本全国の11の公衆衛生センター地域における大規模な前向きコホート研究でした。

 

主要評価項目:

参加者の死亡とその原因


副次評価項目:

食生活ガイドラインへの準拠度と総死亡率、心血管疾患や脳血管疾患による死亡率の関連


主要な結果

この研究から、食生活ガイドラインへの高い準拠度が、総死亡率を低減することが示されました。特に心血管疾患や脳血管疾患による死亡率との逆相関が明らかになりました。


つまりこの研究結果からは、日本の食生活ガイドラインに従うことが全体的な死亡率を減少させる可能性があることが示唆されます。特に、心血管疾患や脳血管疾患による死亡率が低いことが観察されました。これは、バランスの取れた食事が長期的な健康に重要な役割を果たすことを意味しており、日常的な食事選択が健康維持に寄与することを強調しています。

 

論文からの重要な引用

「食生活ガイドラインへの準拠度が高いほど、総死亡率が低く、特に心血管疾患や脳血管疾患からの保護効果が顕著であった」​​。

 

研究の限界

この物語には限界もあります。横断的研究であるため、因果関係を断定することはできません。また、自己報告に基づくデータ収集には誤差が含まれる可能性があります。

 

結論と臨床への意義「結局のところ、どういうこと?」

この研究は、日本の食生活ガイドラインに従うことが、総死亡率や心血管疾患、特に脳血管疾患による死亡リスクを減少させる可能性があることを示唆しています。これは、私たちの日常の食事選択が、長期的な健康に大きな影響を与えることを物語っています。